染付が美しい膳所焼の皆具で、各両面に十牛図に因んだ2種の絵付がされております。表千家久田家12代尋牛斎の御書付がございますので、大切なお茶会でも安心してお使いになれます。水指・杓立・建水・蓋置すべてに印が捺してあります。箱蓋裏に『膳所ヤキ染付十牛の図皆具半床宗也(花押)』と書き付けられております。共箱は蓋表に『膳所焼染付十牛ノ図皆具』、箱脇に『淡界せ〃陽炎園造』として印が捺されております。水指には替え蓋(漆塗)が付属されております。
建水の内側・水指裏側に窯疵がございます。焼成前に出来たものですのでご安心くださいませ*写真⑯⑰。水漏れ、キズ、お直しございませんのですぐにお使いになれます。状態は良好です。
*十牛図とは悟りにいたる10の段階を10枚の図と詩で表したものです。
『水指』
胴径14.7㎝ 高さ16.7㎝ 口径11.6㎝(9.7㎝)
『杓立』
胴径9.4㎝ 高さ18.5㎝ 口径4.7㎝(3.8㎝)
『建水』
胴径13.3㎝ 高さ7.7㎝ 口径13.8㎝(12.4㎝)
『蓋置』
胴径4.7㎝ 高さ4.8㎝ 口径5.5㎝(4.2㎝)
*水指高さは摘み含まず
*口径のカッコは内径です
共箱。水指替え蓋(漆塗)付属。
▢久田家12代尋牛斎宗也(ひさだじんぎゅさいそうや)
大正14年(1925)~平成22年(2010)
表千家流久田家12代。11代無適斎の長男。表千家13代千宗左に学ぶ。博識で知られ、「茶の道具」「茶の湯用語集」などの著作がある。久田家は北野大茶湯にも席を持った利休時代の茶人宗栄を祖とする歴史ある茶家で、宗旦の娘が嫁ぐなど千家とは古くから血縁関係にもある。尋牛斎と不徹斎(武者小路14代宗守)の母澄子は従妹に当たる。85歳。京都出身。京都大学文学部史学科卒業。
▢岩崎新定(いわさきしんじょう)
大正2年(1913)~平成21年(2009)
膳所焼。陽炎園。滋賀県。遠州七窯の一つ、膳所焼の窯を復興した父・岩崎健三に師事。各地の百貨店、画廊等で個展を開催。昭和60年(1985)に滋賀県文化賞を受賞、滋賀県伝統工芸品の指定を受ける。62年、膳所焼美術館を設立し、時代を越えた名品の収集と研究を努める。平成3年(1991)、通産省より伝統産業功労者の表彰を受ける。
【参考文献】
茶道具の名工・作家名鑑 淡交社
茶道大辞典 淡交社
カテゴリー:
ホビー・楽器・アート##美術品・アンティーク・コレクション##工芸品
Update Time:2025-08-22 07:29:27